コレステロールと卵 食事はバランスよく 苫小牧医報

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  • 2024年2月13日
浜島 浩史医師
浜島 浩史医師

  健康診断で、「コレステロールの値が高いですね」と言われたことはありませんか? 「高脂血症」は全く自覚症状がないことが多い病気です。しかし、放置すると脳梗塞や心筋梗塞などの大きな病気につながってしまいます。特に高血圧や糖尿病、肥満の方は要注意! コレステロールのピークは男性40歳代、女性は男性より10年ほど遅れる傾向にあります。これは女性ホルモンと関係があり、閉経とともに脂質代謝が変動するからです。

   以前からコレステロールの対策として卵を控えるという話を聞いたことはありませんか? しかし、最近の報告では全く関係ないと言われているのです。

   約100年前にロシアでウサギに大量の卵を食べさせたところコレステロール値が上昇したという報告があり、「コレステロールの高い人は卵を控えましょう」と言われるようになったのです。しかし、ウサギは草食動物ですよね。このためコレステロールは100%体内で合成しているのです。無理やりコレステロールを食べさせると体外に排出する仕組みがないので、与えたら与えた分だけコレステロール値が上昇してしまうのです。

   人間の場合は口から入るコレステロールが増えると、肝臓で作られるコレステロールが低下することが分かりました。一般的に口から接種されるコレステロールは30%、これに対して体内で合成されるのは70%です。このため卵を毎日食べても影響は全くありません。安心して卵を食べてください。

   重要なのはコレステロールの合成を促す成分を控えること。自分の状態をよく考えてバランスよく食事をしていくことが大切です。

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