春の訪れ

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  • 2024年2月5日
春の訪れ

  駆け出し記者のころ、取材先で「三寒四温」の言葉が理解できず、自分の不勉強さとモノを知らないことの恐ろしさを学んだ。その三寒四温の言葉が当てはまるのか。このところ寒気と暖気が忙しく変わる。寒い日は暖房用灯油の消費量も激しい。春が待ち遠しい。

   世界保健機関(WTO)が冬の適切な室温を18度以上とすることを強く勧告している。子どもや高齢者が同居する場合は、さらに高い温度設定を推奨する。

   環境省がウオームビズの指針に掲げる暖房時の室温の目安は20度。寒さの肌感覚は人によっても差があるため、快適に過ごすには18~22度との指摘もある。室温が過度に低いと血管が縮み、血圧が上がって循環器系の疾患リスクが高まるそうだ。室温1度の違いは脳年齢にも2歳の差が表れ、低温生活は認知症リスクが高まるとのデータもある。

   最大震度7を記録した能登半島地震から1カ月が経過したが、現在も避難所生活を送る人が約1万4000人に数え、車中泊や被災住宅で過ごす人も約3000人に上るという。日本海から吹き込む冷たい風と寒さはしのげているのだろうか。支援の手が被災者に漏れなく届き、地域復興が進んで、一日も早く能登地域に「春」が訪れることを願う。(教)

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