今月は好きな人にチョコレートを渡して思いを伝えるバレンタインデーがある。チョコの種類は当初「本命」だけだったが、気付けば「義理」「友」のほか、家族で味わう「ファミ(ファミリー)」、世話になっている人への「世話」が加わり、さらに男性から女性に渡す「逆」もあるというから際限がない。
東京のハースト婦人画報社とリンベルが昨年11~12月、「婦人画報」を取り寄せる客に実施した調査では、回答者の9割がバレンタインデーに向けてチョコや贈り物を購入すると答えた。自分用を購入するという人は6割以上いて、購入予定金額の平均は3352円だった。
面白いのはこの金額が配偶者や恋人などの本命用より221円高かったこと。「人にあげる前に自分でも試したい」といった回答が多かったことも踏まえると”チョコを食べたい自分”ファーストといえ、今年はチョコの種類に「自分用」が加わるのかもしれない。
言葉の意味や物の使い方など時間の経過で変わりゆくものがある。バレンタインデーの趣旨がチョコを「大切な人に贈る」から「自分に贈る」になっても不思議はないが、慈愛から自愛のバレンタインデーになるとすれば、理由はチョコがおいしいから…となるのだろうか。(林)