雪の妖精シマエナガと出合う 意外と身近に

  • いぶり・ひだかで鳥発見, 特集
  • 2024年2月2日
雪の妖精シマエナガと出合う 意外と身近に

  偶数月での連載コラムなので、2024年最初の記事です。本年も皆さんと紙面を通じてお会いでき、うれしい限りです。野鳥を通じて胆振・日高の魅力を引き続きお伝えしていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

   1月に入りまとまった雪が降り、「除雪で疲れた」という方も多いでしょう。雪が降ると生き物の痕跡を見つけやすくなるのでうれしい面もあるのですが、大変な面も。野鳥探しをしている山の麓にもたくさんの雪が積もり、スノーシューを付けていないと腰まで雪に埋もれることも珍しくなく、「何かいないかな?」と少し埋もれながら生き物との出合いを探し歩いています。

   「いた!」と枝に止まる何かを見つけると、それは雪だったなんてこともよくあるのです。雪を何と見間違えたのかというと、人気の野鳥「シマエナガ」。

   2014年ごろに初めて出合ってから撮り続け、シマエナガの写真集の制作協力やテレビ番組の企画でシマエナガ探しをしたりしてきましたが、そんな間違いをしながら森歩きをしています。「雪の妖精」との愛称で親しまれていますが、探しに探しても遭えないと「シマエナガが雪に化けているのでは?!」とまで考えたり。

   ここまでの紹介だと、深い森に行かなければ出合えない生き物のように思えますが、そんなことはありません。山などから完全に離れているような住宅地の公園や雑木林だと難しいかもしれませんが、林をたどると山に行き着くような場所であれば見られるチャンスが大きいです。駐車場があり、園内や散策路が整備されているような公園などでも大丈夫。なので、意外と身近にいる野鳥とも言えるのです。

   探し方のコツは、小さな野鳥ということもあり、風が穏やかな日の散策がお勧め。そして「チーチーチー」や「ジュルジュル」というのがシマエナガの特徴的な鳴き声なので、それも頼りにしてみてくださいね。

  (日本野鳥の会苫小牧支部・小林誠副支部長)

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