厚真町豊川自治会の自主防災組織は27、28両日、積雪寒冷期における防災訓練を豊川生活会館で実施した。地域住民ら12人が避難所生活の不便さを体験したほか、町の防災担当者から地域の特性や有事に備えるポイントを聞いて意識を高めた。
冷え込みが厳しい夜から朝方にかけて雪害による停電が発生したと想定し、同会館にある自家発電を使用して訓練した。
参加者は町で備えているレトルトのカレーやおにぎり、お汁粉などを食べて暖を取り、簡易エアマットや組み立てベッド、毛布、寝袋といった寝具についてデモンストレーションを交えた紹介を受けた。
防災講話では、町の防災担当者が「防災の1丁目1番地は住む家の耐震の確認。そこができなければ、命は守れない」と強調。同地区には活断層があり、これが動くと影響を受けることや、川沿いに位置するので河川の氾濫や洪水の被害があり得ることを伝え「いつ災害が起きてもおかしくない」と注意を喚起した。
新型コロナウイルス感染症の影響で、同自主防災組織の活動は4年ぶり。田中敏光会長は「胆振東部地震の2年前に組織を立ち上げたが、震災時は知識や心構えがなかった」と振り返り、「いつ起きるか分からないから”災害”になる。この地域も高齢化が進んでいるので、(同会館を)避難所として活用する時にはうまく誘導し、少しでも快適に過ごせるようにしていきたい」と話していた。