むかわタンチョウ見守り隊は27日、厚真町の厚南会館で「厚真にくらすタンチョウと自然について考える勉強会」を開いた。町内外から35人ほどが参加し、国の特別天然記念物に指定され、絶滅の恐れがあるタンチョウと人の共存について考えた。
タンチョウは道東で見られることが多いが、2011年にむかわ町で見つかって以来、道央圏でも繁殖、越冬するケースが増えている。
勉強会では、同見守り隊の隊員蓑島祥子さんが厚真町内でも20年ごろから目撃情報が寄せられており、「昨年9月には厚真川河口付近で3羽の親子が発見されている」と紹介。また、厚真川河口付近や浜厚真の湿地ではタンチョウ以外に、チュウヒやミサゴ、オオワシなど「いろいろな鳥が営巣をしたり、羽を休めている」と説明した。
ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンターの稲葉一将レンジャーは、浜厚真の湿地で238種類の野鳥が確認されていることを挙げ、「多様な自然環境があるからなので、豊かな自然を後世まで残していきたい」と語った。
むかわ町を拠点に見守り活動などを展開する団体「ネイチャー研究会inむかわ」の小山内恵子代表は「むかわ町では町民もタンチョウの飛来を喜んでいるが、どんなに受け入れても湿地がなければ繁殖はしない。この自然をタンチョウや生物のために守っていけたら」と話していた。