厚真町の基幹産業の一つである林業や恵まれた自然に親しんでもらうモニターツアーが26~29日、町内で開かれた。国内外から7人が参加し、雪の斜面を滑って遊ぶ用品「雪板」作りやリノベーションなどを体験。木の温もりに触れながら町民と親睦を深めた。
林業や木材加工を手掛ける町内の若手でつくる一般社団法人「ATSUMANOKI96」が、旅行会社東武トップツアーズ(東京)の協力を得て実施するモデル事業。観光庁の助成を利用し、3泊4日の日程で行った。参加者の声などを参考に、今後ツアーの継続などが検討される。
一行は初日、同法人のメンバーの案内で町内の林業の作業現場や製材工場を見学した。27日は、雪板作りのワークショップで町産のオンコやケヤキ、ナラなどを組み合わせた木材を使い、オリジナル作品の制作に挑戦。のこぎりで木を切ったり、やすりで表面を滑らかにしたりする作業に汗を流した。28日は民泊のリノベーションを体験し、29日には出来上がった雪板で雪の上を滑る雪上サーフィンなどを楽しんだ。
スイスから来道しているロンニャ・バレリさん(26)は「物を作るのが好きなので楽しい」。イフ・ゲイセルさん(32)は「スイスと日本は違う。食べ物や環境そのものがいい経験になっている」と終始笑顔を見せていた。
同法人の中川貴之代表は「参加者には原料からさかのぼって木製品のストーリー性を感じてもらえたらと思うし、別の視点から林業の自立を探る機会になる。木材の仕事とツアーを連携させていけたら」と話していた。