白老町地域おこし協力隊員の山岸奈津子さん(43)は、町民にまちの魅力を再発見しやすくする相関図の制作に取り組んでいる。完成に向けて多くの情報を得ようと、年代や立場の違う町民がざっくばらんに地域や人の関連を語り合う機会をつくる活動を続けており、「まちの魅力をつなぐことで、新たな魅力が生まれる展開になれば」と期待する。
相関図は、まちの魅力を表す複数のキーワードを挙げ、ゆかりの人々や歴史、文化などの特徴をつなぎ、まちの構造を鮮明に示すものにする。
同協力隊として文化振興を担当する中で、「町民が地元の魅力や特徴を共有できるよう、ストーリー仕立てにして分かりやすく伝えられるものがあれば」と思ったことが、相関図作りに着手するきっかけとなった。
完成時期は設定していないが、昨年11~12月に町民との交流の場として開設したフリースペース「海と港となつこの部屋」で訪れた町民から情報を得る活動を進めている。
25日には町民に語り合ってもらう初めてのワークショップ(WS)も町内の飲食店で開いた。地元の歴史などに詳しい人や移住して間もない町民ら約15人が参加し、町内各地域の魅力を輝かせていく可能性を模索した。
参加者は「多文化共生」「ヨコスト湿原」「湧水」「馬産」など、まちの魅力や特徴となるキーワードを付せんに書き出し、一覧できるように壁に貼り付けると、魅力や特徴をつなぎ合わせ、歴史や産業、文化、地勢などと絡めて語り合った。
その中で白老は、自然環境が多様で、温泉の泉質は多く、生産される食材は豊富で、畜産、工業、観光と各次産業にも恵まれ「さまざまな分野で多様なまち」と見えてきた。町内会の数が99あることも参加した若者から驚かれた。
山岸さんは、「異世代間で地域や人の関連性を語り合うことにも意味がある」と手応えを感じた様子で、早ければ来月にも次回のWSを開きたいとしている。