自民党の茂木派(平成研究会)と麻生派(志公会)で26日、派を離れる動きが相次いだ。関口昌一参院議員会長は参院議員総会で、茂木派に所属する自身と福岡資麿参院政審会長、石井準一参院国対委員長が同派を離脱すると表明。麻生派の会合では、岩屋毅元防衛相が退会の意向を示した。
茂木、麻生両派は政治資金規正法違反事件で関係者が立件されておらず、領袖(りょうしゅう)が存続の方針を取っているが、離脱の動きがさらに広がる可能性もある。
関口氏は記者会見で、事件を踏まえて参院自民党の主要役員は所属派閥を離れることを決めたと説明。「政治改革の問題で昔からそういう話はあった」と述べた。
茂木派では小渕優子選対委員長が退会し、青木一彦参院議員も松江市での記者会見で「派閥をできれば解体し、自民党を国民にもう一回信頼してもらう」と改めて退会を表明した。会長の茂木敏充幹事長は「政策集団」として派を存続させたい考えで、26日は中堅・若手約10人と協議の場を持った。
麻生派は所属議員による意見交換会を開催。この中で岩屋氏は「麻生派が存続するなら退会する」と述べた。記者団には「党が一枚岩で改革を行うことが大事だ」と強調した。
ただ、出席者の大半は「わが派の会計処理はおおむね適切だった」などとして存続を主張。今後の対応を会長の麻生太郎副総裁に一任した。麻生氏は「党政治刷新本部の中間取りまとめに沿って対処する」と語った。
一方、谷垣グループ(有隣会)は26日に臨時総会を開き、政治団体の解散を決定。今後のグループの在り方について引き続き検討していくことを申し合わせた。代表世話人の中谷元・元防衛相は「自民党は大きく変わっていかなければいけない」と記者団に語った。
菅義偉前首相に近い無派閥議員グループ「ガネーシャの会」も解散を検討しており、所属議員の意向確認を進めた。