道教委が進める「北海道CLASSプロジェクト(地学協働活動推進実証事業)」推進校の白老東高校(小川政博校長)で推進してきた選択科目「地域学」が今年度で終了する。次年度以降は2022年に設立された地学協働コンソーシアム代表者会議が「地域学」を継承し、選択科目から総合的な探究の時間の中で全学年で学んでいく。25日には選択科目として最後の成果発表会が同校体育館で開かれた。
「地域学」は同校3年生の選択科目。今年度は昨年8月に名古屋外国語大学(名外大)の学生とフィールドワークを合同で実施した。成果発表会では、このときの取材を基にアイヌ民族の儀礼や食文化のほか、JR白老駅周辺のカフェやジェラート店、唐揚げ店などについて取りまとめた約3分の映像を披露。1、2年生計約90人にまちの魅力を伝えた。
生徒が制作した動画では、生徒が自らムックリ(口琴)を演奏したり、ヒグマとアイヌ民族との関係性についてまとめた内容が目を引いた。商店への取材では、店が生まれた経緯や店主が大切にしている店づくりへの思いを紹介したほか、人気テレビ番組にあやかった演出を施すなど楽しませる工夫も凝らした。
制作に取り組んだ3年の加藤優さん(18)は「白老には個人で経営する個性あふれる店がある。魅力を多くの人に伝えていきたい」と話した。苫小牧市から通う1年の高橋光希さん(16)は「(発表を通して)ジェラート店など行ってみたい店が白老にできた。夏が楽しみ」と語った。
同校の選択科目「地域学」は18年度からスタート。21年度から23年度までは地学協働活動推進実証事業の推進校となった。地学協働コンソーシアム代表者会議は同校を中心に道、町、文化、教育、商工観光関係者らから成り、次年度以降は、地域が生徒の受け皿となって互いに学び、成長する取り組みに進化した「地域学」を継承していく。