むかわ町は、50代男性職員が誤った判断で穂別地区のエゾシカ侵入防止柵を撤去させたことで、食害に遭った農家などに損害賠償を払うことを、24日に開かれた町議会臨時会で明らかにした。竹中喜之町長は「二度とこのような非違行為が起こらないよう努める」と陳謝した。
町によると、農林水産課職員が昨年7月、町民から「シカ柵を撤去してほしい」と相談を受けた。柵は町鳥獣被害防止対策協議会が整備したもので、町民からの相談が上司に伝わっていない状況で金網のシカ柵(約200メートル)撤去に踏み切った。これによって、近隣農家が農地や農作物を荒らされる被害につながった。
町は「信用失墜行為にあたる」として18日付で担当課職員1人を減給1カ月、管理職1人を減給2カ月とする懲戒処分を下した。
竹中町長は「町民の皆さんに深くおわびを申し上げる」と頭を下げ、「全ての職員に全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行することを徹底する。これを教訓に、再発防止の徹底、町民の信頼回復に努めたい」と述べた。
町は被害農家に対する損害賠償額145万円、町鳥獣被害防止対策協議会に対する同105万円を盛り込んだ2023年度一般会計補正予算案、町長、副町長の給与削減に関する条例の一部改正案などを提出し、原案通り可決された。