【マンチェスター(米ニューハンプシャー州)時事】米大統領選に向けた共和党の候補者指名争い第2戦となる東部ニューハンプシャー州予備選が23日投開票され、トランプ前大統領(77)がヘイリー元国連大使(52)との一騎打ちを制し、勝利した。トランプ氏は初戦の中西部アイオワ州に続く連勝で独走態勢を固め、指名獲得に大きく近づいた。
トランプ氏は大勢判明後に演説し、「重要なのは、われわれが2戦とも勝ったということだ」と宣言。その上で「ヘイリー氏にはひどい夜になった」と強調した。トランプ氏陣営はヘイリー氏に撤退を呼び掛けた。
これに対しヘイリー氏は、演説で「選挙戦はまだ終わっていない。多くの州が残っている」と撤退を否定。トランプ氏との次の直接対決となる2月24日の南部サウスカロライナ州予備選に向け、活動を続ける方針を表明した。
CNNテレビによると、推定開票率91%の時点で、得票率はトランプ氏54・6%、ヘイリー氏43・2%。共和党穏健派と無党派層が多いニューハンプシャー州に焦点を絞っていたヘイリー氏に、トランプ氏が力を見せつけた格好だ。
ヘイリー氏にとってサウスカロライナは2011~17年に州知事を務めた地元だが、世論調査ではトランプ氏が大きくリードしている。初戦のアイオワ州党員集会後、デサンティス・フロリダ州知事ら他の候補は撤退しており、ヘイリー氏に対しても、サウスカロライナを待たず選挙戦を終えるよう求める圧力が強まる可能性もある。
共和党の次回候補者選びの舞台は、2月8日に西部ネバダ州で行われる党員集会。ヘイリー氏は党員集会ではなく、党が認めていない州当局主催の予備選にしか出馬しておらず、トランプ氏の「不戦勝」が決まっている。
一方、民主党も23日にニューハンプシャー州で予備選を実施し、現職のバイデン大統領が勝利した。ただ、党全国委員会は初戦を2月3日のサウスカロライナ州予備選に変更したため、結果は非公認扱いとなる。バイデン氏は声明で「トランプ氏が共和党の候補者になるのは明白だ」と指摘。バイデン氏陣営は、本選をにらみ選対組織強化に動いた。