厚真町の厚南中学校(石崎和昌校長)で23日、専門の講師や地域住民を招いて一日防災学習が行われた。冬の災害を想定した講話や、避難所運営を考える防災教育教材「さすけなぶる」を使ったワークショップを通じて、備えや心構えについて理解を深めた。
東北学院大学の定池祐季准教授は、2012年11月末の暴風雪による送電用鉄塔倒壊で発生した登別市内の大規模停電について講話し、当時なくて困ったものとして暖房や照明などを挙げた。その対応としてポータブルストーブや厚着、懐中電灯などが役立ったことを取り上げながら、さらに「替えの電池や電源があるといい」「他の人が必要でなくても、自分や家族にとって必要なものがあれば用意しておいて」などとアドバイスを送った。
地域住民を交えてのワークショップでは、新聞やトイレの取り扱いなど避難所運営の問題が起きた場合を想定し、10班に分かれて意見交換。定池准教授は▽想像力▽組織や団体の中での調整力▽周囲と協力して動ける行動力―をポイントに挙げ、「一人で頑張り過ぎず、周りと協力することが大切。普段の力が災害時にも生きる」と説いた。
2年の三浦一久さん(14)は「悪いと思ったことでも、本当は親切で動いていることがあったりする。周りの声を聞いて行動することが大事と感じた」と話した。