【ワシントン時事】米大統領選に立候補していた共和党のデサンティス・フロリダ州知事(45)は21日、X(旧ツイッター)に投稿した動画で「選挙戦を停止する」と述べ、撤退を表明した。トランプ前大統領(77)に代わる保守の「新星」として期待を集めたが、15日に行われた党指名レース初戦のアイオワ州党員集会で得票率がトランプ氏の半分にも満たず、存在感を示せなかった。
動画では「ドナルド・トランプにもう一度チャンスを与えたいと、大多数の共和党員が考えていることは明らかだ」と語り、首位を独走するトランプ氏への支持を表明。デサンティス氏の撤退により、共和党の指名争いはトランプ氏とヘイリー元国連大使(52)の2人に絞られた。
デサンティス氏は「われわれは、ニッキー・ヘイリーに代表される守旧派の共和党には戻れない」とも強調した。保守派を中心とした支持者の多くはトランプ氏に流れるとみられ、ヘイリー氏には逆風となる。
デサンティス氏はアイオワ州に選挙活動や資金の大半を費やし、党員集会で2位に入ったものの惨敗。23日に第2戦が行われるニューハンプシャー州では、支持率が1桁に落ち込んでいた。21日にはテレビ各局への出演を突如キャンセルし、早期撤退の可能性がささやかれていた。
連邦下院議員などを経て2018年、フロリダ州知事に初当選。新型コロナウイルスの対応で連邦政府のマスク着用義務化に反対し、全国的に知名度を高めた。22年の中間選挙で共和党が不振に終わり、トランプ氏への「責任論」が噴出する中、大差で知事に再選し「次世代の指導者」と目された。
だが、昨年5月の出馬表明後は演説や候補者討論会でカリスマ不足を露呈。陣営内の路線対立にも悩まされ、昨秋以降は支持率が伸び悩んでいた。