自民党の派閥による政治資金パーティー収入の裏金化問題。東京地検特捜部が18日までに政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いで安倍、二階、岸田3派閥の元職を含む会計責任者を立件する方向を固めたとの報道があった。注目された安倍派幹部7人衆の立件見送りとの内容に、「そうなのか」「やっぱりな」との思いを抱く人も多いだろう。何のおとがめもなしに、誰が納得できるのだろうか。
地検の事情聴取に幹部らは「(裏金還流は)会長と会計責任者が決めていた」などと口をそろえ、自らの関与を否定。結果、会計責任者との共謀や指示など証拠がなければ立件は難しいとの判断らしい。ただ、派閥や議員事務所の会計責任者が誰の許諾もなく自己判断で収支報告書の内容を操作するとは考えられない。
この問題では安倍派の現職衆院議員とその政策秘書の2人を逮捕済み。さらに不記載が高額だったとされる衆参2議員の立件を検討しているそうだ。事実であれば地検は起訴・不起訴をどう線引きしたのか明確に説明する必要がある。
裏金問題の発覚で自民党は派閥解消を含めた政治改革に取り組んでいるが、一度失った信用は簡単には取り戻せない。改革内容に本気度が見えなければ、再び下野することになるだろう。(教)