この冬も記者はほぼ毎日、景色の遠望が愉楽で海岸線をウオーキングしている。きょうは公園の開けた所に積もった新雪に長靴で入り込み、足跡を付けてみた。たまに氷に足を取られることもある。ここ数年は何とか転ぶのを免れて無傷なものの、危険な状況も幾多あり、昨冬は外出した身内が転んで肝を冷やした。
雪が苫小牧より多く、寒冷な前任地の千歳で「冬の転倒予防講座」を取材したことがある。凍った路面の危険性や転ばないための防衛策を啓発するウインターライフ推進協議会(札幌)の研究者が講師だった。市街地にはバス乗降場所、横断歩道の白線上、施設出入り口など”危険箇所”が点在。転ぶ際は路面(つるつる路面、段差など)と歩行者自身の状態(急ぐ、準備不足、酒酔いなど)が複合している―とする解説だった。滑るかつまずいてバランスを崩すと、体を支える力が足りないときに転倒するという。
滑った地面がある際は、靴の裏全体で踏みしめる、膝を少し曲げ、重心をやや前に傾ける、時間に余裕を持つ―が要諦。小さい歩幅で進み、つるつる路面なら注意しつつ、すり足歩行も有効という。誤って転んでも体を保護する厚手の帽子や手袋の着用を勧めた。今週20日の「大寒」前後、くれぐれも用心しよう。(谷)