自民党派閥の政治資金パーティー収入を巡る事件で、最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)と「志帥会」(二階派)が億単位に上る収入を派閥の政治資金収支報告書に記載しなかったとして、東京地検特捜部が政治資金規正法違反罪で、両派の会計責任者を在宅起訴する方向で検討していることが13日、関係者への取材で分かった。
パーティー券販売のノルマ超過分について特に高額な還流を受け、裏金化した疑いがある安倍派の大野泰正参院議員(64)と谷川弥一衆院議員(82)を立件する方針であることも判明。同派幹部らについては、会計責任者との共謀の有無について詰めの捜査を進めているもようだ。
関係者によると、両派は派閥のパーティー券販売について所属議員の当選回数や役職によってノルマを設け、それを超えて売った分を議員側に還流。さらに、複数の議員側がノルマ超過分を派閥に納めず手元にプールしていたとされる。
ノルマ超過分は派閥の収支報告書に収入として記載されていなかった疑いがあり、不記載額は時効にかからない2018~22年の5年間で安倍派が6億円規模、二階派は2億円超に上る可能性がある。
両派の会計責任者は任意の事情聴取に、いずれも不記載への関与を認める供述をしているという。
一方、安倍派の大半の議員側は還流資金を裏金化していた疑いがあり、大野氏が約5000万円、衆院議員池田佳隆容疑者(57)=政治資金規正法違反容疑で逮捕、自民党除名=が約4800万円、谷川氏が4000万円超で特に高額とされる。