「暖冬とは寒さが長続きしないという意味」とテレビの気象予報士氏。12月初めに驚くほどの寒さで始まったこの冬。元日に能登半島一帯を大地震が襲い、被災者を試すように大雪や雨、低温が訪れる。週末、週明けにも寒波到来とか。
壁は節穴だらけの板張り、二重窓も断熱材もない家に住んだ経験のある世代。冬の朝はガラス窓の内側が、氷の結晶で真っ白く覆われた。肩の上まで引っ張り上げた掛け布団の息の当たる部分も、白く凍って硬くなった。冬の就寝前、布団に入れる湯たんぽの用意など、親はさぞ忙しかったに違いない。寒くて寝付けなかった記憶はないから、若さが何よりの防寒対策になっていたのだろう。今は顔が冷たくて目が覚めるようになった。
北陸の避難所の学校体育館の天井の高さや、冷たそうな板の床、小さな灯油ストーブを見ると、寒さを想像するのもつらい。余震や土砂災害、感染症流行の不安も追い打ちをかけている。それでも県内外の旅館など、2次避難所の確保が進んでいるようだ。全国の都道府県が空き公営住宅の提供を準備している。仮設住宅の建設も始まった。早く―と祈る。
高校3年生は、きょうから大学入学共通テスト。輪島では中学生の集団避難準備も。子どもたちにも試練は続く。(水)