失い、学び、得たこと(中) 西川(にしかわ) 良雄(よしお)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年1月13日
失い、学び、得たこと(中) 西川(にしかわ) 良雄(よしお)

  手術後、しばらく口から一般食を取ることができませんでした。点滴や栄養剤を胃ろうで補い、その期間の病床生活では常に上半身、特に胸から肩までを斜めに起こしていなければなりませんでした。身体を平らに寝かせると胃の中のものが逆流現象を起こすのですが、それを抑える食道の機能を病気で失ったからです。

   日常生活への復帰に向けた訓練は、水を少しずつ飲むことから始まり、段階的におかゆ、そして徐々に普通食になっていきます。ただし、15ミリ角位のものしか喉を通りませんし、お餅などは途中で詰まるので、残念ですが、術後に食べたことはいまだかつてありません。昔は正月の雑煮を兄弟たちの倍は食べ、毎年記録を残していたのに。

   辛いもの、刺激の強いもの、アルコールなどのし好品も制限されていますが、ほんの少しずつ味わっています。自分で招いたこととはいえ、それまでの生活習慣がどれだけ悪かったのかを初めて気付き、反省しきりです。体は何らかの危険信号を必ず発信します。自分自身にしか分からないミニミニ通信になりますが、注意してキャッチしましょう。

   がんが発見された後で分かったのですが、喫煙している人は、外科手術の縫合部分の付きが悪いと聞かされました。幸い私は手術の2年前より禁煙していたおかげか、先生から何とかなるかなと言われ、順調に運びました。

  (電気工事西川組社長・苫小牧)

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