地震や津波による被害を受けた石川県能登町では11日午前、町立小木中学校で登校が再開された。友達や先生と久しぶりの再会を果たした生徒らは「みんな元気で良かった」と無事を確かめ合って喜んだ。
全校生徒31人のうち、1~3年の15人が登校した。全員が理科室に集まり、午前時から自習時間が割り当てられた。冒頭、倉見淳校長(58)が「まずは1時間、勉強するところから始めましょう。防災教育にも力を入れてきたので各家庭で頑張ってください」とあいさつした。生徒らは先生らが見守る中、お年玉の話などで会話を弾ませたり、勉強に励んだりしていた。
2年の谷口凱弥さん(14)は「みんな無事で良かった。久々に会って話すのが楽しい」と照れくさそう。高校受験を控える石川來実さん(15)は親戚の家で過ごしている。「勉強は大変だけど、地震に負けず、常に笑顔でいたい。将来は美容師か音楽関係の仕事に就いて人のためになりたい」と話した。
受験勉強をしていた浜野祐香さん(15)は「会うのは楽しみだったが、受験や余震が不安です」と語った。
自宅のある珠洲市から駆け付けた2年生の担任、小町佳史教諭(42)は「生徒の元気な顔が見られてほっとした。生徒の居場所をつくりたい一心で来ている」と話した。倉見校長も「孤独な状態は子どもにとっては良くない。日常を少しずつ取り戻していくことが大切だ」と語った。