石川県珠洲市の高齢者施設の入所者30人が11日、自衛隊の大型ヘリコプターで2回に分けて愛知県に移送され、次々と各地の病院に搬送された。健康状態の確認後、受け入れ先となる施設に移るという。
午前11時半ごろ、入所者15人を乗せたヘリが県営名古屋空港(愛知県豊山町)に到着。15人は後部ハッチから担架で降ろされ、待機していた救急車で大学病院などへ向かった。午後2時ごろには2機目が飛来し、さらに15人が搬送された。
受け入れを担当した災害派遣医療チーム(DMAT)の医師で愛知医科大災害医療センター長の津田雅庸さん(50)は「愛知県や自衛隊の協力でスムーズに搬送できた」とほっとした様子。被災地では建物が被害を受けたり、水や燃料が不足したりしている施設も多いといい、「現場の患者や職員の負担を減らせるよう、今後も引き受けていきたい」と話した。