色あせない輝きに夢中 伝統工芸品の「七宝焼」を手掛ける 田村 かつ子さん(83)

  • まちのクリエーター, 特集
  • 2024年1月11日
お気に入りの作品や道具に囲まれたアトリエと田村さん
お気に入りの作品や道具に囲まれたアトリエと田村さん

 色鮮やかな光沢を放つ日本の伝統工芸品「七宝焼」は、金属板に色のついたガラス製の釉薬(ゆうやく)を盛って焼き上げ、花や風景を描く。苫小牧市美原町在住の田村かつ子さん(83)は50年ほど前から、七宝焼の魅力に取りつかれている。

   きっかけは、長男が通う小学校のPTAサークルに七宝焼があったこと。ガラスの光沢に加え、月日がたっても色あせない輝きに引かれた。「日焼けしても色は落ちず、永久に美しさを保てるアート」と夢中になった。

   作り方は、金属板に銀線でかたどりして釉薬を乗せ、1000度近くで焼き上げると金属とガラスが一体化して模様となる。金属板を扇子のようにジグザグにし、盛り上がったところに釉薬を乗せ、焼いて溶け流しながら描くこともある。

   「金属板の形や色付けも自由なので、毎回違った挑戦ができるのが楽しい」とほほ笑む。

   これまで作品の展示会を開いたり、公共施設に寄贈したりと活動を続けてきた。田村さんは「多くの人に見てもらえてうれしい。伝統工芸の普及と継承に、これからも力を入れていきたい」と意欲を語った。

  メ モ

   毎月第2・第4火曜日にのぞみコミュニティーセンターで体験会を開催している。問い合わせは田村さん 携帯電話090(2075)9809。

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