自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)の政治資金パーティー収入を巡る裏金事件で、衆院議員池田佳隆容疑者(57)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=が秘書らに対し、派閥パーティー関連のデータや資料を廃棄するよう指示した疑いがあることが9日、関係者への取材で分かった。
東京地検特捜部は、池田容疑者が主導して証拠隠滅を図った可能性があるとみて調べている。
安倍派は所属議員の当選回数や役職によって派閥パーティー券の販売ノルマを設け、それを超えて売った収入を議員側にキックバック(還流)。還流分を派閥や議員側の政治資金収支報告書に記載せず裏金化していたとされる。
特捜部は昨年12月19日、強制捜査に着手し、安倍派などの派閥事務所を捜索。同27日には池田容疑者の議員会館事務所や地元事務所などを捜索した。
関係者によると、池田容疑者は捜索前、事務所内にあった派閥パーティー券の販売に関する資料やデータなどを廃棄するよう秘書らに指示した疑いがあるという。その後、特捜部が捜索で押収した記録媒体を調べたところ、データが破損していた。
池田容疑者は、会計責任者で政策秘書の柿沼和宏容疑者(45)=同=と共謀し、資金管理団体の2018~22年分の政治資金収支報告書に、還流分の計約4800万円を収入として記載しなかったとして7日に逮捕された。