雪も降りやんで、札幌の元旦はビル街からも初日の出が見えた。手をかざすと願い事がかなうとされる樹齢200年のハルニレの木がある、近所の小さな神社に初詣に行った。そんな穏やかな正月ムードも帰宅すると一変。能登半島での巨大地震発生で現実に引き戻され、翌日には新千歳発羽田行きの日航機と海保機の滑走路炎上事故で、より緊張感が増した。慌ただしく辰(たつ)年が走り始めた。
2024年、元号が令和に代わり6年目の鈴木道政も本格的に動きだした。知事は6万人を超える全職員に対し「目線を世界にも向けて」と年頭のメッセージを送った。昨年2月28日、道庁でラピダス(東京)の小池淳義社長が千歳市に次世代半導体工場の建設を表明して以降、道政の目指す方向性は明らかに変わった。ものづくり産業が脆弱(ぜいじゃく)な本道の産業構造を、大きく転換する「デジタル化」が大きな柱に加わった。
知事には毎年、その年を表す漢字一字を聞いている。「感」(20年)から始まり、「変」(21年)、「守」(22年)と3年連続で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた漢字が並び、5類に移行した23年は「動」を選んだ。辰年の年末にどんな漢字を色紙に書き込むか。鈴木道政は2期目の折り返しへ向かう。(広)