東胆振4町(白老、厚真、安平、むかわ町)でも、成人の日(8日)を前に7日、20歳を迎える町民の門出を祝福する式典が行われた。晴れ着姿の若者たちが、華やかな雰囲気の中で同級生らと久しぶりに再会し、会話を弾ませながら人生の一ページを彩った。
白老町は、二十歳を祝う会を初めて、アイヌ民族文化財団(札幌市)の協力により民族共生象徴空間(ウポポイ、町若草町)で執り行った。大塩英男町長は式辞で「社会をつくる原動力は皆さんの若い力。小学生から『ふるさと学習』でアイヌの文化や歴史を学び、共生の精神などを育んできた。多様な人々が尊重し合う社会の一員として活躍を」と呼び掛け、大人の仲間入りをした出席者92人に「しらおいPRアンバサダー」の委嘱状を交付した。
アイヌ古式舞踊を鑑賞後、苫小牧工業高等専門学校5年の川上颯太さんと北海道福祉教育専門学校2年の石谷さやかさんが出席者を代表し「多文化共生が息づく白老で育った誇りと大人としての自覚を胸に、まい進する」と誓った。
厚真町総合福祉センターで行われた二十歳の集い(つどい)には29人が参加し、久しぶりの再会を喜び合った。2018年9月に発生した胆振東部地震やコロナ禍を乗り越えた若者たちが、未来の扉を切り開く思いを新たにした。
宮坂尚市朗町長は「転ぶことを恐れず、転んだところから立ち上がり、次の糧にしていくことが大事。若い力やエネルギーにあふれる皆さんが、さまざまな場所から厚真町に力を送り、成長した姿を町民に披露していただきたい」とエールを送った。
出席者を代表し、赤間朱樹さんは「この先、一人ひとりがその人にしか味わえない人生を歩むが、同じ町で育った仲間であることは変わらない。難しいことやつらいことにぶつかった時、私にとってこの町や仲間がそうであったように、力になれる人間に成長していきたい。未来を生きる若者たちの模範となるべく精進していく」と決意表明した。
安平町では、47人が追分公民館で行われた式典に参加。その後は4年ぶりに復活した餅つきや立食形式のパーティーに参加し、思い思いに時間を過ごした。谷村航洋さんは「みんなの変わった姿を見て成長や変化に気付けた。震災もあったが、人生にとって大事な時間だったと感じる」と振り返り、「学生生活を頑張って社会人として自立していきたい」と話していた。
むかわ町では、37人が道の駅「四季の館」で開かれたセレモニーに臨んだ。二十歳を代表して谷山海斗さん、奥野莉緒さんが「あすへの可能性を信じ、若い力とチャレンジ精神を持って大人としての義務を遂行することに努めます。どのような境遇に置かれても、一丸となって古里むかわの発展に尽力する」と誓いの言葉を述べた。