新紙幣

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  • 2023年12月29日
新紙幣

  2024年7月に新しい紙幣の発行が予定されている。偽造紙幣対策が目的で、紙幣のデザインが一新されるのは20年ぶり。1万円札の顔は近代日本資本主義の父とされる渋沢栄一、5000円札は女子教育に尽力した津田梅子、1000円札は破傷風菌の培養と治療法開発に成功した北里柴三郎となる。

   日本の紙幣の偽造防止技術レベルは、非常に高い。目の不自由な人でも幾らのお札なのか分かる凹凸のあるマークや、光に透かすと見える縦棒線があり、傾けると浮かび上がる数字や文字もある。裏にも表にも触り、透かし、傾けることで本物か偽物かを識別できる約10種類の技術が駆使されており、新紙幣にはさらに高い技術が導入される。

   記者は1000円札よりも5000円札、5000円札よりも1万円札が好きだが、「金は三欠くにたまる」ということわざには首を傾げるタイプ。義理と人情と交際の三つを欠くぐらいの覚悟がなければ、お金はたまらないことの例えだが、大金がたまらないのはそれ故か。

   ともあれ、今の紙幣も新紙幣も、刻まれているのは日本の礎となった偉人ばかり。手にした時にはわが国が誇る偽造防止技術を確認しながら、ご尊顔をじっくりと観賞させていただきたい。(林)

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