◆11 岩倉市長倒れる 復帰目指しリハビリ続ける 一時意識不明も回復

  • この一年 2023, 特集
  • 2023年12月28日
◆11 岩倉市長倒れる 復帰目指しリハビリ続ける 一時意識不明も回復

  11月7日夕、岩倉博文苫小牧市長が出張先の韓国で倒れた。一報が入った市役所内で衝撃が走り、幹部が慌ただしく情報収集に追われた。岩倉市長は意識不明で、医療機関の集中治療室(ICU)に入った。翌8日に市は記者会見を開き、木村淳副市長は市長が倒れた要因について「心室細動よる不整脈が起きた可能性がある」と話した。

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   岩倉市長は、苫小牧港をPRする「ポートセールス」のため、苫小牧港利用促進協議会の会長として韓国入りし、仁川国際空港で突然意識を失い、一時は心肺停止の状態だったという。同11日に市は市長が意思疎通ができる状態に回復したと発表したが、帰国予定日など詳細は「家族の心情を考慮する」として公表せず、同17日の帰国後に発表した。

   岩倉市長は帰国後、札幌市内の医療機関に入院。12月1日に植え込み型除細動器(ICD)を取り付ける手術を受け、同9日に退院。公務復帰に向け、療養とリハビリを続けている。開設するホームページの「ダイアリー(日記)」で、「完全復帰までもう少し時間をいただければと思っています」(原文ママ)とつづった。

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   市長が不在となり、市は2006年6月以来、17年5カ月ぶりに市長職務代理者を置き、木村副市長が当面の間を担っている。山本俊介副市長とともに岩倉市長が出席予定の催しに代理で出席。施策や事業などを従来通り進め、市長不在の影響を最小限にとどめている。

   一方、今月7~15日の市議会第4回定例会は、岩倉市長が06年の市長就任以降、初めて全日程を欠席した。一般質問では市議が市に提案や要望を行ったが、政治判断が必要な部分で十分な回答が得られない場面もあり、市議からは「市長の大きさ、トップの決断の重要さを、つくづく感じた」などの声も聞かれた。

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   岩倉市長の公務復帰に向けて、木村副市長は25日の記者会見で「来年の2月議会に向けて体力を回復していただきたい」と説明。23日に木村副市長は市長と会い、依然と変わらない様子で会話を交わしたというが、木村副市長は「足腰の筋力についてリハビリが必要で、市長本人も『もうしばらく回復をみて』と申していた。急ぐことなくしっかりと、回復の状況を見た上で復帰してほしい」と話した。 (室谷実)

 (終わり)

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