試合終了後に守備連係の細部を確かめていた様子で40歳のディフェンスで恵庭出身の河合龍一選手と26歳のゴールキーパーで釧路出身の磯部裕次郎選手が会話後にうなずき合った。釧路が拠点のアイスホッケー北海道ワイルズ所属の両人。24日に苫小牧であったクリスマスゲームでレッドイーグルス北海道との対戦後、道東軍団の顔触れが年代問わず”貴重な実戦感覚”をかみしめる様子を見た。
親善の試合とはいえ、両チームの優勝決定戦は白熱。ホームのレッドイーグルスが第3ピリオドに苫小牧っ子、入倉大雅選手の勝ち越し弾を加え、2―1でワイルズをかわした。ワンプレーごとの速さや力感と精度―。戦術的な規律が守られた組織の動きと迫力はトップリーグ所属チーム同士でしか見られない事柄だ。
アジアリーグ一角のひがし北海道クレインズの経営問題に端を発し、その人員の大半が新規結成の北海道ワイルズへ移籍したのが6月。今季の同リーグ参戦はならなかったが、全日本選手権には特例的に出場して4強入り。苫小牧で今年を回顧したワイルズの齊籐毅監督は「いろいろな経験をさせてもらっている。われわれの経験はこれからのアイスホッケー界を考える上で必ず生きるはずと信じている」と試練の突破へ意気込んだ。(谷)