名古屋市のカラオケ店とマンションで女性2人が刺されるなどして死亡した事件で、愛知県警は27日、同市中区のマンション一室で発見された女性遺体について、この部屋に住む職業不詳の長野汐里さん(30)と確認したと発表した。司法解剖の結果などから、溺死させられたとみられる。25日以降に死亡した可能性が高いという。
県警は連続殺人の可能性もあるとみて、事件のあった2カ所を27日朝から現場検証し、詳しい状況を調べている。
県警は同日、カラオケ店で死亡した女性(20)に対する殺人未遂容疑で現行犯逮捕した男についても、自称していた曽我春暉容疑者(25)と確認した。長野さんと同居しており、職業は風俗店店員と話しているという。
捜査関係者などによると、長野さんは浴槽の中に裸で横たわっていた。目立った外傷はなく、部屋に争った形跡もなかった。マンションは長野さんが契約していたという。
隣室に住む高齢男性は、長野さんと旅行の土産などをやりとりしていたといい、「日曜日もケーキを持っていったのに」と驚いた様子だった。同じ階の70代女性は「かわいい女性で、会うとあいさつしてくれた。トラブルは聞いたことがない」と話した。
一方、カラオケ店で死亡した女性の死因は司法解剖の結果、心臓を刺されたことによる失血死と判明した。頭や胸、腕などに複数の刺し傷や切り傷があったという。
カラオケ店の刺殺事件は26日午前11時すぎに発生。正午ごろには、曽我容疑者の供述に基づき、約2キロ離れたマンションで長野さんの遺体も発見された。