本格的なウインタースポーツの季節を前に、スキーやスノーボードを楽しむ際には用具のメンテナンスを怠らないよう、消費者庁が呼び掛けている。安全機能が働かず重傷を負うケースもあり、担当者は「適切に調整すれば、けがを防いだり軽減したりできる」としている。
全国スキー安全対策協議会がまとめた報告書によると、昨シーズンは2月の1カ月間で、全国46のスキー場で2885人がけがをした。医療機関での治療を要する中等症以上は、スキーは約66%、スノーボードは約76%に上った。原因別では、自分で転倒したケースが約8割を占めた。
消費者庁によると、スキーで転倒時のけがを防ぐには、板にブーツを固定する「ビンディング」の調整が重要という。身長や体重などに合っていないと転倒してもブーツが板から外れず、足の骨折につながる恐れもある。中古品を使う場合は、専門の整備技術者がいるスキーショップなどで自分用に調整し直すべきだとしている。
スキーブーツやヘルメットなどの経年劣化にも注意が必要だ。プラスチックでできた部品があり、安全に使える目安は5年程度という。同庁担当者は「久しぶりに使う場合は気をつけてほしい」と話している。