高齢者は、認知症や要介護化などのリスクを高める大腿(だいたい)骨骨折の予防が重要とされる。熊本大大学院などの研究グループは、人工知能(AI)の機械学習を用いて、家庭で簡単に骨折リスクが判定できるツールを作成したと発表した。
研究グループは、大腿骨の骨折患者1395人と健康な1075人のデータを登録。AIによる学習で、日常生活の自立度やロコモティブシンドローム(移動能力の低下)、1年以内の転倒歴、認知機能など、大腿骨骨折に関連する8項目のリスク因子を特定した。さらに各項目を点数化し、合計点から骨折リスクを判定するツールを開発した。
精度を検証した結果、計5点以上で「大腿骨骨折リスクあり」と判定できることが示された。研究グループは「血液検査などの必要がなく、家庭でも簡単にリスクが判定できる。大腿骨骨折の予防につなげたい」と話している。
(メディカルトリビューン=時事)