文化審議会(佐藤信会長)は18日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への新規提案候補に「書道」を選定した。関係省庁連絡会議で正式決定後、政府が来年3月までに提案書を提出する。2026年11月ごろに開かれる政府間委員会で登録の可否が審議される見通し。
書道は筆や墨、すずりといった用具などを使い、伝統的な筆遣いや技法で漢字や仮名などを表記する行為。中国からの漢字伝来以来、書法の吸収や技法の工夫の中で、和様とされる書風が生まれ、和歌文化隆盛とともに仮名が発展した。日本文化の多様性や深みを世界に発信していく候補にふさわしいと判断された。
また、登録済みの無形文化遺産に同じ分野のものを追加する拡張提案が、試験的に審査件数の制限から除外されることを受け、「和紙」(3件)、「山・鉾・屋台行事」(33件)、「伝統建築工匠の技」(17件)への追加候補6件も選定した。25年11月ごろに審議される見込み。
これまでに登録された日本の無形文化遺産は22件。現在提案している「伝統的酒造り」は、来年11月ごろに開かれる政府間委員会で審議される見通し。