厚生労働省は18日、乱用の恐れがあるせき止めや風邪薬などの販売規制を強化する方針を固めた。若者を中心に広がる市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)を踏まえ、20歳未満には大容量の製品や複数の販売は認めず、小容量の製品1個だけに限る。対面または映像と音声によるオンライン購入を原則とし、薬剤師などが氏名や年齢を確認する。
同日の検討会で、方針案が大筋了承された。厚労省は今後開かれる専門部会の議論を踏まえ、医薬品医療機器法の改正を進める。
方針案では、せき止めに使われるコデインなど6成分を含む市販薬について、原則として1人1個の販売とし、必要に応じて購入者の年齢確認を行う。薬剤師などに対しオーバードーズへの注意喚起を義務付けるほか、万引き防止などのため購入者の直接手の届く場所には陳列しない。
20歳未満は他店を含めた購入履歴を確認した上で販売し、20歳以上も複数個や大容量を販売する場合は同様の確認を行う。乱用防止の実効性を高めるため、マイナンバーカードを活用した購入履歴の一元管理も検討する。
また、副作用のリスクなどに応じて第1~3類に分かれている市販薬の分類も改める。風邪薬などの「第2類」とビタミン剤などの「第3類」を統合した上で、薬剤師のみが販売できる薬と、ドラッグストアなどの登録販売者も取り扱い可能な薬の2区分とする。
医療用医薬品から市販薬に転用されて間もない「要指導医薬品」は、オンラインでの服薬指導を条件にインターネット販売を解禁。処方箋なしで例外的に医療用医薬品を販売する「零売(れいばい)」について、不測の事態で服用中の薬が手に入らないなど、「やむを得ない場合」に限って認めることを法令で明記する。