ゴールデンウイーク直後の5月8日から、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられた。感染の危険度が急に下がったわけではない。それでも地域を彩るイベントなどは今やほぼ完全に復活。お盆や年末年始の帰省ラッシュを含め、コロナ禍前の日常が戻って来た。
5類に移行すると、多くの人たちがマスクを外すまであっという間だった印象だ。夏前からは取材先でも、暑さも手伝って着用者が一気に減少。インタビュー相手の声も聞き取りやすくなり、マスクからの開放を実感した。
夏の一大イベント「とまこまい港まつり」は感染対策の行動制限がなくなった。市民おどりも復活し、会場は大いに盛り上がった。ビアガーデンで感想を聞いた家族連れが「ようやく祖父母を含め、みんなで乾杯できた」と顔をほころばせていたのが忘れられない。
地域イベントの中には新しく始まったものもあり、7~8月は毎週のように町内会や企業の催しを取材した。写真を撮りながら感じたのは「ちょっとマスクを外してもらえませんか」と言わなくてよくなった気楽さ。子どもたちの自然な笑顔に癒やされながら、カメラのシャッターを切った。
インバウンド(訪日客)需要も徐々に戻り、市内でも外国人の姿を見掛けるように。海の駅ぷらっとみなと市場の青谷尚人事務局長は「中国や東南アジアからのお客さんが増えた。SNSを見て来てくれたようだ」と喜ぶ。
マスク着用が任意となって久しいが、決して油断はできない。市内でもインフルエンザが猛威を振るい、コロナとの同時流行が懸念される。必要なときにはマスクを着用し、約3年半の感染症との闘いで学んだソーシャルディスタンスをはじめとする対策で大切な人を守りたい。
(中田大貴)