むかわ町は、2018年9月に発生した胆振東部地震で大きな被害がもたらされたまちなかの再生整備について、現在進めている穂別地区に続き、鵡川地区でも乗り出す。道の駅「四季の館」など7カ所を拠点にしてそれぞれの全体機能を充実・強化し、にぎわいを取り戻す。13日に開かれた町議会定例会に、関連する事業費3100万円を盛り込んだ2023年度一般会計補正予算案を提出し、原案通り可決された。
鵡川地区は、5年前の震災で店舗が倒壊するなど市街地を中心に被災。建物の解体後は空き地が増えて空洞化が顕著になっていた。また、今後想定される日本海溝・千島海溝周辺の海溝型地震において、津波避難対策特別強化地域にも指定され、町は事前復興計画の策定を急ぐほか、復興創生・共創アドバイザーの助言を受けて鵡川地区のまちなか再生を検討していた。
整備は昨年3月に策定したまちなか再生基本計画に基づき、市街地にある道の駅やぽぽんた市場、消防庁舎、公営塾、チャレンジショップなど7カ所を拠点とし、機能を充実・強化させる。さらに各拠点を有機的に結び付けて回遊性を向上させ、まちなかを一体的に活性化していく。
今年度はマーケットサウンディング(民間事業者ヒアリング、住民合意形成支援)といった手法で事業者5~10社から提案を募集。その結果を踏まえてエリアデザインを行い、拠点ごとに基本設計、着工を進める。総事業費は現時点で明らかになっていないが、合併特例債などを財源とする考えだ。
町総合政策課は「穂別地区からの波及や鵡川地区において状況が大きく変化していることを踏まえ、このタイミングでの着手となった」と説明し、「交流拠点の機能、対策の強化を高めていかなければいけない。住民との合意形成には、スピード感を持って取り組む」と話している。