漢字1文字で今年の世相を表す「今年の漢字」に「税」が選ばれ、京都市東山区の清水寺で12日、森清範貫主が揮毫(きごう)した。一年を通じて増税議論が活発に行われたほか、政府が定額減税の方針を示したことなどを反映した。
「税」が選ばれたのは2014年以来、2回目。森貫主は「非常に厳しい日本の情勢を感じている。国民が税の行方を見ているということを感じて書かせていただいた」と話した。
今年の漢字は日本漢字能力検定協会(同市)が主催し、29回目。14万7878票の応募があり、「税」は5976票を集めた。インボイス制度開始やふるさと納税の運用ルール厳格化、酒税改正など「税」にまつわる話題が多かったことも理由に挙がった。
2位は「暑」で、夏の平均気温が統計開始以来、最高となったことなどから5571票が寄せられた。3位の「戦」は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝、阪神タイガースの38年ぶりの日本一などがあり、5011票だった。
揮毫された漢字は21日まで清水寺で一般公開され、22日からは漢字ミュージアム(同市)に展示される。