いろいろな分野で人手不足、働き手減少が問題になっている。それを理由にした「サービスの削減」が問答無用に行われる可能性もある。人ごとではない。
衣料品など購入時期を調整できるものと違い、食料品は高齢者にとっても待った無し。運動も兼ねて買い物に出掛ける人が多い。スーパーで知人と話さないと人と話す機会が減り舌が動かなくなる。しかし、健康状態にもよるが歩ける距離や運べる重さには限度がある。手放した車や免許証は二度と戻らない。商品の配送サービスが実にありがたい。「便利だよ」と聞いて、わが家も利用を始めた。重たいものは週1回宅配で買い、細かな軽いものだけを店で買う方式だ。仕分けに慣れるまで時間が必要だが、確かに便利。しかし人手不足の時代。頼り切ると痛い目に合う。知人の経験に驚いた。
いつも午後3時前後に到着する宅配がある日、午後6時半すぎに着いた。老夫婦の夕食が午後7時―。静かな食卓で何を食べたのか、覚えていない。「人員不足のため遅れる場合があります」という連絡はあったが、まさか3時間も―。
高齢化による購買人口の変化で大都市の団地や地方の新興住宅地でスーパーの閉店や移転が目立っているという。人手不足の社会は、高齢者にも厳しい。(水)