白老町の大塩英男町長は8日の定例記者会見で、来年1月7日に開く「二十歳を祝う会」の会場を初めて町若草町の民族共生象徴空間(ウポポイ)にすることを明らかにした。大塩町長は「白老で育った方々が地元に誇りを持ってもらえる貴重な機会になる」とし、その後もウポポイで開催していきたい意向を示した。
町は祝う会の会場について、昨春ごろからウポポイ側へ打診。慎重に調整を進め、実施が決まった。若者たちが大人としての自覚を持つ節目に、アイヌ文化が根差す町の魅力を町内外へ発信するアンバサダー(大使)となり活躍を誓う場になることが想定される。
出席予定者は町内に住民登録のある2003年4月2日から04年4月1日生まれまでの111人と町外在住の26人の計137人を見込んでおり、案内状は送付済み。12人による実行委員会体制で式典の企画、運営準備を進めている。
同町はアイヌ文化を次世代に引き継ぐための総合的指針として「町アイヌ施策基本方針」を他の自治体に先駆けて策定。今年度からは町内6小中学校で始めた「白老未来学」で先住民アイヌ民族に関する授業に力を注いでおり、祝う会をウポポイで実施することで、古里への誇りと愛着が深まることを期待している。
また、会見で大塩町長は今年一年を振り返り「町立病院の建設が始まるなど漢字一字なら『新』で表される」と述べた。来年の一字には「進」を挙げ、まちのさらなる進化と発展を誓った。
12日に始まる町議会定例会12月会議では、23年度一般会計補正予算案に9億5253万6000円を追加し、一般会計総額を132億8918万1000円とする議案を提案する。一般質問は12~14日とし、12人が登壇する。議案は、今年度の寄付額10億円を見込むふるさと納税推進PR事業2億3436万3000円や物価高騰対策による低所得世帯への追加給付事業2億5667万2000円の増額補正など計18件。