―アイスホッケーの魅力について。
「ほかのスポーツにはない『スピード感』、選手がぶつかり合ったり、パックがフェンスに当たる『音』など迫力が随分違うと個人的には思っている。映像では伝わりにくい部分があるので、やはり実際にリンクに足を運んで見てもらうことで、実際の迫力を体感してもらえるということが重要だと思う」
―スポーツビジネスの難しさをどう思うか。
「同じ屋内スポーツであるバスケットボールリーグと比較すると、アジアリーグ全体の問題としてチーム数や試合数が圧倒的に少ない。収入の根源は興行にあるが、そのために必要なのは入場者数が増えるということ。スポンサーにとっても広告の価値が上がる。興行の数を増やすこと、1興行当たりの来場者数を増やすことはそこに直結する。いかにお客さまに来てもらうかが一番大事なことだと思っている」
―興行強化への方針について。
「メインはチームやゲームの魅力を高め、集客やスポンサー増を目指すこと。裾野を広げていくために情報提供を充実し、競技を知らない人に魅力を発信して少しでも多くの人にファンになってもらう。チームの成長や財政的な安定が皆さんにより良いものを提供することにつながる。現在、ファンサービス企画、チームグッズの充実、会場で食事を提供する『Eグル』といった特色のある食事の提供、アリーナ演出の工夫などさまざまな取り組みを行っている」
―チームや競技の発展に向けて。
「潜在的なファン、スポンサーに向けた情報発信や露出が重要。いろんなことをさまざまな形でたくさん手数を打っていく。興味を持ってくれた人に付加情報を提供し、働き掛けをしていく。こうした路線をいかに太くできるかがキーだ。チームが広告宣伝塔としていかに貢献できるか考えて伝え、さまざまなスポンサーとコラボし、売り上げにつながる活動をどんどん増やしたい」
―アイスホッケーの可能性は。
「競技自体が特徴のあるスポーツ。チーム数が少ない点をいい意味で捉えられるとすれば『希少価値がある』ということ。地域の方々にたくさん応援していただいて大変ありがたいが、そこには限界があるので、昔の日本リーグの時代のようにナショナルスポンサーが一つでも二つでも戻って来るような動きが出てくるといいなと思っています」
▽プロフィル
1960年11月8日生まれ、東京都出身。83年に王子製紙へ入社し、アイスホッケー部の応援団マネジャーを5年間務めた。2022年5月にGMに就任。山林を舞台に、地図上に記されたポイントをクリアし、ゴールまでのタイムを競う「オリエンテーリング」に学生時代から取り組んでいる。