白老町認知症の人と家族などの会(吉良哲子会長)は6日、白老コミュニティセンターで学習会を開いた。会員や町民、町内の介護専門職員ら約20人が参加し、講話を通じて認知症高齢者への町の支援体制について理解を深めた。
同会は、認知症の人とその家族への援助、福祉向上を目的に、研修会や相談援助活動を実施している。
学習会では町高齢者介護課の社会福祉士、土井桃枝さんが「認知症高齢者への支援」と題して講話。町の支援体制の一つとして「地域見守りネットワーク」を挙げ、関係機関や福祉施設による組織で、児童、障害者、高齢者の安否確認を通して緊急時には警察や消防に通報し、虐待を防いでいることを説明した。さらに「認知症初期集中支援チーム」があり、認知症の疑われる人や患者、家族を訪問し、包括的な初期支援や自立生活をサポートしていることを伝えた。
また、今年度は「認知症高齢者等SOSネットワーク」が設立され、認知症高齢者が一人歩きで道に迷ったり、行方不明になったりした場合、警察と福祉関係機関が協力して捜索し、早期発見につなげる仕組みができたことを紹介。「町内をさまよう心配のある人にこそ必要な仕組み。本人の早めの相談と事前登録、また皆さんの協力、理解が欠かせない」と訴えた。
この後、家族会の役員が、配偶者や親の介護での苦労話や施設選びのポイントを語った。参加者同士で日ごろの悩みを打ち明け、交流も深めた。
吉良会長は「日ごろの悩みを分かち合い、必要な支援につなげる、少し楽な気持ちになるなど、あすへの活力にしてもらえたら」と集いの場の意義を話す。昼食では白老手打ちそばの会による打ち立てそばを味わい、談笑した。