疑惑

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  • 2023年12月6日
疑惑

  冬季五輪札幌大会が札幌市を主会場に開かれたのは1972年の2月3日から13日まで。テレビやラジオからは連日、「虹と雪のバラード」が流れていた。壮大な歌詞と美しい旋律、トワ・エ・モアの2人の爽やかな歌声を覚えている。

   国際オリンピック委員会(IOC)が11月29日、理事会を開き2030年の冬季五輪・パラリンピックの最優先開催地にフランス、34年は米ソルトレークシティーを選定。38年もスイスを「優先的に協議できる候補地」と発表した。札幌市は14年、26年大会の招致を表明したものの胆振東部地震の発生などがあり、招致対象を変更していた。東京五輪招致をめぐって不祥事が相次いだこともあって市民の招致への意見も変化。今回のIOC決定を受け新聞に「撤退」の見出しも並んだ。札幌市は中旬に対応を決める。

   自民党の東京五輪招致推進本部長だった馳浩・石川県知事が開催都市決定の投票権を持つIOC委員に一冊20万円の写真アルバムを作って贈ったことや、当時の安倍晋三首相から「金はいくらでもと言われた」と明かしたのは先月17日のことだ。知事は報道されると知って発言を撤回して沈黙との報道が続いた。元首相は銃撃されて急死したが今は派閥のパーティー券代金環流疑惑の主役―。(水)

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