2023年度安平町地域ネットワーク会議が5日、同町追分公民館で開かれた。「ご近所福祉クリエイター」として講演・執筆活動を行う酒井保さんとオンラインでつなぎ、地域活動や住民同士のつながりがもたらす安心感とその先にある介護予防について理解を深めた。
町の委託事業で町社会福祉協議会が主催。町内の自治会や民生委員、支援関係者らオンラインを含め約70人が参加した。
酒井さんは、新型コロナウイルス感染症のまん延で介護認定率や認知症患者の割合が全国的に増えていると説明。「地域活動の休止で、つながりが切れた状態が長期化したこと」が背景にあると述べ、健康で長生きするために重要なのは「社会の中で自分の居場所があると感じられる状態をつくること。地域の支え合い、つながりが健康寿命の延伸につながる」と持論を展開した。
また「お年寄りに対してすべてのことをしてあげるのは介護予防にならない」「運動機能が低下したから社会性が落ちるのではなく、社会性、つながりを欠くことで運動機能が低下する」と指摘。社会性を支援する取り組みの一つとしてサロンを挙げ、「さらに役割を与えてあげることで社会参加にもなる」と語った。
このほか、町社協職員で生活支援コーディネーターでもある小谷順平さんが今年度の活動を報告。ボランティア体験プログラムの対象を児童・生徒から一般町民まで広げたことで幅広い参加があったことや、町内の高齢者サービスを網羅した暮らしの便利帳を「現在制作中で年度内には完成する予定」と伝えた。