国の特別天然記念物タンチョウの越冬状況を調べている道は5日、2023年度の1回目調査を全道一斉に行った。胆振管内でも苫小牧市とむかわ、厚真、安平の3町で実施。例年だとすでに越冬地に飛び立っている地域でも、多くのタンチョウが残っているケースがあった。
胆振総合振興局の職員2人が、むかわ町を拠点に活動する市民団体「ネイチャー研究会inむかわ」と「むかわタンチョウ見守り隊」の協力を得て同町と厚真町を車で巡り、目視で個体数を調べた。約1時間の調査の結果、厚真町で3羽、むかわ町で8羽を確認。畑などで餌を夢中でついばみ、成鳥だけでなく幼鳥の姿もあった。
前年同期は両町で4羽の確認にとどまり、調査に同行した同研究会の小山内恵子代表(70)は「12月にこれだけ多く残っているのは珍しい。ねぐらの川が凍るので、むかわでの越冬は難しく、11月末には越冬地に移動することが多い」と指摘。暖かい日が続けば、まだしばらくとどまっている可能性があるとみており「静かに見守ってほしい」と願っていた。
道内の一斉調査は1952年度から実施。現在は毎年度12月と1月の2回行い、今回は釧路、根室、十勝管内を中心に45市町計357カ所で展開。調査結果は遅くとも来年1月上旬に公表され、2回目調査は同1月24日に計画されている。
確認数は2021年度の1月に過去最多の1525羽に達し、22年度は12月が972羽、1月が1344羽だった。