厚真町の厚南中学校(石崎和昌校長)の3年生は4日、同校に来賓を招いてふるさと教育発表を行った。地域の魅力などを生かした活性化案について、行政や町内の教職員らに提言。宮坂尚市朗町長も出席し、次世代を担う中学生と将来のより良いまちづくりに向けて意見交換した。
3年生は、これまで町内に住み続けて感じたことなどを基にテーマを設定し、独自に調査。発表は小中9年間の総まとめとして行われ、それぞれが思い描くまちの姿や期待を個人やグループでプレゼンテーションした。
笠原桜空さん(14)は上厚真地区にある食堂の近くにカフェを開設し、町産農作物を使ったハスカップ加工品などの提供を提言。建設費用も分析し、650万円ほどと見込んだ。「将来も(町内に)いられるかは分からないけれど、厚真の魅力をたくさんの人に知ってもらいたい」と話した。
北島未聖さん(15)は「厚真町にはリンクがあって、支援も行われるなど昔からスケートに力を入れているが、競技人口が少ない。まずは楽しむ感覚から競技人口を増やせたら」と話し、既存のスケート教室の対象を園児まで広げることや、高校生以上もスケートを楽しむ機会を習慣付けるよう提案した。
このほか、高齢者をターゲットにした移動販売スーパーの開店や町外者向けにVR(仮想現実)を活用したゲームの実践、あつま田舎まつりに合わせて町内の施設を巡ってもらうスタンプラリーの開催―といったアイデアも。ふるさと教育や厚真を外国人に英語でPRする「APR学習」など教育の充実についても言及した。
宮坂町長は「皆さんの考えは私たちが目指しているまちづくりと似ており、皆さんの夢をかなえていくのがわれわれの役目」と講評し、「これから高校、大学、社会人とさまざまな場で活躍していくと思うが、厚真町のことを見詰め続けてほしい。再び厚真町で活躍したいと思えるようなまちにしていきたい」と述べた。