来春の甲子園、各都道府県の春季大会から高校野球の金属バットが新基準に完全移行となる。従来に比べてボールが飛ばなくなるという。日本高野連は新基準の金属バットの採用理由として「打球による負傷事故防止(特に投手)」「投手の負担軽減によるケガ防止」の二つを挙げている。
新基準のバットは従来よりも細くなる。最大径は従来のバットが直径67ミリに対して、新基準バットは直径64ミリと細くなる。断面にした金属部の厚さは約3ミリから約4ミリへ。金属自体は肉厚になるが反発性能が抑制され、飛距離が減衰するようだ。
新基準バットの登場で試合はどう変化をするか。長打が飛び交う試合の減少で、ロースコアゲームの増加も予想されている。室蘭支部の指導者に聞くと「新基準バットを夏くらいから試しているが、感覚で分かるぐらいボールが飛ばない」とぼやく。従来のバットで外野の頭を越えた打球も「今度はしっかり芯で捉えないと越えないかも。パワーを付け、スイングスピードを上げるようにしっかり練習するしかない」と話す。近年の甲子園は一日に何本も本塁打が飛び交う空中戦の様相。新バットで試合の形態・戦術が変わるのか。 (高)