白老町は11月30日、町地域おこし協力隊員の活動報告会を町中央公民館で開いた。町民ら約60人が参加し、まちの活性化に向けて観光振興、アイヌ文化、スポーツなど各分野で取り組む8人の活動内容や成果に耳を傾けた。
報告者は、食と観光振興を担当する鄭延雪(てい・えんせつ)さん(35)、森林ガイド担当の野田和規さん(26)、文化芸術担当の山岸奈津子さん(43)、観光振興担当の安田裕太郎さん(28)、羽地夕夏さん(25)、高島勇揮さん(36)、アイヌ文化振興担当の乾藍那さん(36)、今年8月に着任し、町内初のスポーツ振興担当となった小箱駿太さん(28)。
山岸さんは今年起業したまちづくり法人の設立概要と取り組みについて解説。「将来は白老港を米国サンフランシスコの観光スポット『フィッシャーマンズ・ワーフ』のような場所にしたい」と語った。安田さんは野草民泊を運営し、森林ガイドの野田さんと始めたインターネットラジオ「ポッドキャスト」が好評なことに触れ「自然の面白さを今後も深掘りしていきたい」と目を輝かせた。
町大町に移動書店と活動の拠点を構える羽地さんは、拠点の内装工事を進めていることなどを報告。「来年1月にもお披露目ができたら」と述べた。小箱さんは秋に総合型スポーツクラブのサフィルヴァ白老と子ども向けスポーツ教室を開き、「子どもたちが平等にスポーツに接する機会をつくりたい」と理解を求めた。
大塩英男町長は「協力隊員の活動には町民の理解と応援が欠かせない。隊員、町民の皆さんと一緒にまちを盛り上げていきたい」と語った。
町は2016年度に地域おこし協力隊制度の運用を始めた。これまで21人を委嘱し、退任13人中9人が町内に定住し、このうち4人が町内で起業した。現在活動する8人のうち4人は来年3月に任期を満了し、退任する見込み。