白老町(大塩英男町長)は包括連携協定を、白老東高校(小川政博校長)は教育連携協定を、それぞれ11月30日に名古屋外国語大学(愛知県日進市、亀山郁夫学長)と結んだ。地域社会の発展や教育の向上が目的で、同大学の学生が5年ほど町内でフィールドワークをしてきたことが縁となった。同大学が自治体と協定を締結するのは6例目、道内の自治体では初めて。高校との連携も道内では初となる。
同大学世界共生学科では2019年から毎夏、学生が白老町の歴史を学び、魅力の再発見に結び付くフィールドワークを実施している。白老東高でも生徒が地元のフィールドワークで学ぶ「地域学」の授業を展開しており、連携を模索してきた。
町との協定内容は地域課題解決や人材育成、地域の国際化推進、就学就職支援など7項目。高校との内容は教職員や学生との交流事業、双方の施設、設備の活用、情報交換など4項目。亀山学長が町役場を訪れて町との協定書を大塩町長と、ポロトミンタラ(町若草町)を訪れて白老東高との協定書を小川校長と交わした。
亀山学長は「大学では世界のさまざまな諸地域に住む人々のアイデンティティーと正面から向き合える『世界人材』の育成に力を注いでいる。町や白老東高との連携協定の締結は、その実現を視野に置いており、協定に盛られた事項を、少しずつ実のあるものにしたい」と述べた。
大塩町長は「町外からの若い人たちの視点は、持続可能なまちづくりを考える上で必要な気付きにつながる」と期待。小川校長も「高校生と大学生の交流・合同調査プログラム授業という基盤を確立し、科目の枠を超えた総合的な学びの展開を期待したい」と語った。
同町での学生のフィールドワークに注力してきた同大学の千田徹朗准教授は、大学が今年4月に高大連携の推進窓口組織「地域教育推進センター」を設置したことや、コロナ禍を背景に遠隔教育機材が大学と白老東高の両校で整備されたことなどを説明。「相互に培ってきた関係性と内容を継承、発展させながら、双方の教育ニーズを掘り起こし、連携を深化させる方法を模索したい」と目を輝かせていた。