12月に入り、胆振・日高地方の平野部でも雪が降るようになってきましたね。除雪が必要になるような雪はこのコラムを書いている時はまだ降ってはいませんが、その時が来ることをドキドキで待つ読者も多いのではないでしょうか。
今回は、北海道が雪で覆われるようになる頃にやって来る渡り鳥をご紹介。渡り鳥といえば、ハクチョウやマガンなどのイメージが強いと思うのですが、フクロウの仲間も海を越えて北海道へ渡ってくるのです。それが今回紹介するコミミズクです。フクロウといえば「森の中で生活しているもの」という認識の方も多いはず。しかしこの種類のフクロウは森とは少し離れた場所を好んで過ごすのです。
主に北米やヨーロッパ大陸でも緯度の高い地域で繁殖を行い、冬になると南下してくるとされています。胆振・日高地方に特別渡ってくるというわけではないのですが、原野などアシ原が広がるような場所でよく観察されます。どうしてそのような場所なのか。それは、ネズミや小鳥たちを主に捕食するという食性が影響しているからでしょう。
太陽が傾きだした頃から活動が活発化。自然相手なのでもちろん絶対はありませんが、主に観察できる時間帯は夕方になることがほとんどです。「サッ」と素早く移動するのではなく、「ヒラヒラ」気持ち良さそうに飛ぶことが多く、遠くから飛翔(ひしょう)の姿に違和感を抱き、発見に至るということも多いのです。
そのような地帯をドライブされる際、ヒラヒラと飛ぶ野鳥がいたらそれはフクロウの仲間コミミズクかもしれません。ただし、よそ見は禁物です。安全な場所に停車をしてからの観察にしましょう。そしてもう一つ。何気なく立ち入った場所が私有地ということや大事な植生を傷つけてしまうという恐れもありますので、足元がどういう場所なのかの配慮をしっかりと怠らないように心掛けましょう。自戒も込めて。
(日本野鳥の会苫小牧支部・小林誠副支部長)