寒さの本格化とともに海の釣りは対象が限られ始めている。海岸のサケは結局、シーズン終盤も振るわない。では海岸の投げ釣りは―と、釣り倶楽部担当が白老町で実釣に臨んだ。クロガシラ37センチのリポート。
11月後半の休日、萩野地区の護岸に入釣した。近年全く釣れないコマイの”資源”調査も兼ねようと、河口近くを選んだ。十勝方面の海岸ではコマイが上がっているという。ならば胆振も、と淡い期待もある。
フシコベツ川の河口は階段状の護岸。サケ最盛期はさおが林立するが、この日は誰もいない。さお2本を三脚にセット。風がやや強いため、ナイロン3号を巻いたリールを着けた。
仕掛けは自作の胴突き2本針。1本を50メートル、もう1本は80メートル付近に打ち込んだ。10分置きに仕掛けを数メートルさびいて反応を探る。すると3度目の誘いの直後、手前側のさおに魚信が来た。
穂先が小さく揺れ、ゆっくりとお辞儀。糸はふけることもない。にわかに魚の見当がつかない。見守っていると揺れが大きくなった。餌を食い込んだと判断し、さお先が勢いよく刺さった瞬間に合わせた。重量感が伝わる。護岸の段差をかわすのにやや強引にリールを巻くと、姿を見せたのは厚みのあるカレイだった。
餌は春に冷凍保存した塩イソメ。3匹房掛けした下針に付いた。実釣3時間で別のさおにも1度魚信はあったが、乗らなかった。回収した仕掛けの針には餌の頭だけ残っていた。
釣果は1匹でもこの時期の海岸の投げ釣りでは御の字。魚は煮付けにしていただいた。晩秋のカレイは脂の乗りがいい。魚は幸運なことに子持ちだった。煮こごりにして、ぷるぷるでトロトロの煮付けを堪能した。ごちそうさまでした―。