難病の心臓限局性サルコイドーシス患者の特徴や予後を解明したと、順天堂大大学院などの研究グループが発表した。
サルコイドーシスは、炎症細胞の塊「肉芽(にくげ)腫」が体内に形成される原因不明の難病。肉芽種は肺など全身の臓器にできる可能性があり、心臓に見つかると心臓サルコイドーシス、心臓のみに形成されると心臓限局性サルコイドーシスと呼ばれ、致死的な不整脈や心不全、突然死のリスクが高まるが詳細は不明だった。
研究グループは、2001~17年に国内33施設で心臓サルコイドーシスと診断された475人のデータを解析。119人が心臓限局性で、非限局性患者と比べて診断時の心機能が低く、脈が速くなる不整脈(心房細動)や心不全の病歴を持つ人の割合が多かった。
一方、死亡や心不全による入院などの予後に差はなかった。研究グループは「限局性であるかよりも、診断時の心機能や併存疾患が予後を左右する可能性があり、早期の治療介入が重要」と述べている。
(メディカルトリビューン=時事)